間違いの英語学習

オンライン英会話で英語を話せるようになるのか

オンライン英会話で話せるようになるのか

オンライン英会話とは

現在多くの人がやっているのがオンライン・レッスンです。主に英語のネイティブとかフィリピンとかヨーロッパの英語の先生と話す練習です。

料金も安く、毎日でもできます。先生がいろいろ質問してくれるので、何の準備をせずにレッスンを受けられる利点もあります。

現在では最も人気にある英語学習方法です。

オンライン・レッスンに人気があるのは英語を話す回数を増やせば英語が話せると考えるからです。

何も準備せずに時間さえとれば練習できるのが利点ですが、それが逆にはオンライン英会話の弱点でもあります。

英語文化圏に長期滞在しても

私は20才の前期にアメリカに留学しました。そして多くの米国に10年以上も在住している日本人は英語が上手でないことを知りました。

これは日本に長期滞在する外国人も例外でありません。日本に長期在住しても上手な日本語を話す人は多くありません。その理由は言語を話す国に滞在しても言葉はそれほど上手になりません。

英語を話す国に長期滞在しても話せないのですから、時間的にみれば、仮に毎日英語で30分間でも話したとしても英語を話せるようになりません。その理由が英語を話せるような練習をしないからです。

多くの場合に自己紹介ばかりして、少しも上手になりません。もし運よく良い先生に当たって良い練習ができると、今度はその先生の都合に振り回せます。良い先生は多くの生徒を抱えますから、その先生のスケジュールに合わせる事になります。

大人が英国や米国に長年住んでいても英語を流暢に話せるようになりません。英語漬けでも英語を話せるようになりません。大人の場合に英語に触れているだけでは英語を流暢に話す事はできません。

もちろんオンライン英会話で単にフリートークだけをしている人は英語を話せるようになりません。フリートークは英語が話せる人が話す練習をするための学習方法です。

英語の話せない人は英語を話す機会がないから話せないのではありません。話そうとする英語が記憶にないから話せないのです。練習が足りないから英語が話せないだけの事です。英語を話す機会の問題ではありません。

オンライン英会話に必要な3つの能力

オンライン英会話を効果的に生かすためには次の3つの能力が必要です。

 

1.分からないことを聞き返せる力

分からないことを聞き返せる力、はレッスンの中では特に大事です。対面での会話ですから、聞き取れないことや分からないことがどんどん流れていってしまいます。聞き返さない限り、相手は分かっているものだと思ってどんどん先に行ってしまいます。

 

聞き返すのも悪いし、何度も何度も申し訳ないし、と思いもあります。

しかし、分からないからないことを聞き流すとどうなるかと言うと、次の問題が発生します。

・分からないことが永遠に解決しない

・その場で聞く、という記憶定着最大のチャンスを逸している

・聞き流す癖がついてしまう

知らないこと、聞き取れないこと、理解できないこと、それら全て今の自分ができない事なのです。

それが目の前に出てきた時にその場で確認できない、またはしようとしないということは多くのチャンスを逃し、また多くの危険性もはらんでいます。

「話の流れ」という、会話を理解するのに最大の手助けである文脈の中から出てきた分からない事を、その流れの中で解決できてしまえば、こんなに記憶に定着する瞬間はないのです。

 

2.継続できる力

継続できる力、は何事においても大事なのですが、特に語学においてはやはりとても大切な力。楽器では1日サボると半年戻と言われています。英語はそこまではいかなくとも、やはり英語を学び始めたばかりの時、成長が始まった時の何もしないブランクはできれば避けたいものです。

 

3.レッスンではなく、自分で学ぶ力

レッスンの中だけで英語の学びが完結するわけではありません。英語を始めたばかりの人にとってのオンライン英会話レッスンは、覚えた英語を試す機会です。そして、練習の質を上げていくことも、その中でできなかったことをできるようにしていくことも、同じくとっても大事なこと。

 

英語という言葉を操り、受け止めコミュニケーションをしていくためにはまず忘れないように覚えて必要があります。そして次に実践的にどんどん使う機会と、それに対し準備をしたり後で復習したり、または知識として増やしたりというようにレッスンの外でいかに学ぶか、も必要な要素になります。

 

もちろんレッスンの中だけで伸びる部分もありますが、その場合には聞いた英語を覚えていてその表現を使える能力がある人です。

 

こう考えると英語を覚える学習はオンライン英会話以外にやる必要があります。するとオンライン英会話は英語を話すための絶対的な条件ではありません。

 

覚えた英語を思い出して使う練習をするのであれば、これは自分だけもできない事はありません。もちろん相手が外人である必要もありません。

 

オンライン英会話の最大の弱点は良い講師が必要になり、その講師を選び時間を設定して時間を合わせる必要があります。

 

自分で学ぶ場合には計画的に学ぶ事が可能です。

 

フォニックスで学ぶ

フォニックスで学ぶ

フォニックスを基本に発音を教えている多くの学校や先生がいます。

音素的なフォニックス(phonics)のアプローチに対して、ホール・ランゲージ(whole language)のアプローチがあります。

フォニックスは部分から全体を読めるようになっていく方法ですが、これはホール・ランゲージはこの反対の方法をとっています。

全体から丸ごと覚えていくというホール・ランゲージという方法です。絵本の単語全体をみてその読み方を自然に覚えていくというものです。

人間の認知はトップダウンですから、ホール・ランゲージのように捉える方が科学的なアプローチです。

1.文字と音の関係を学ぶ

フォニックスとは本来は英文字と音の関係を学ぶためのものですが、実際には英語において文字と音の関係は75%くらいしかないようです。

これでは英語の文字と音の関係を学ぶ事もできません。

現在でもアメリカでこの2つの手法について論争があります。ホリスティックという言葉がありますが「全体的に」「包括的に」という意味であります。「全体」と「部分」との関係を大事にするという意味であります。

アメリカでは日本と同じように、言葉の話せる児童を前提に教えていますから、フォニックスで発音を教えてはいません。

フォニックスで発音を教えるのは日本独特なものであり、それなら音声学の方で発音を教える方が、歴史も実績もあると思います。

フォニックスには多くの音の単位がありますから、動画制作などで都合の良い題材であり、日本で発音を教えるきっかけになったと思われます。

ホリスティックな教育とは教師と生徒という上下関係や考えることよりも知識を教えることを重視してきた20世紀における教育形態に代わり、人間の生きる意味を知るという目的のため、あらゆる方法を総括的に実践することで教育の進化を目指した運動を示します。

2.英語のリーディング

アメリカにおいてフォニックスとホール・ランゲージの比較研究があります。どちらの方の学習者が多いかとなれば、人数的にはフォニックスの方だと思われます。

しかし、比較研究の結果や言語学習を科学的に考えればホール・ランゲージの方がより効果的だと思われます。

調査結果では読み方や、スペルや、文章の理解度や、学習意欲に関してもホール・ランゲージの方が良い結果を生んでいます。これは子供にはフォニックスの的な考えや知識があまり助けにならないからです。

言語はルールが基本ではありませんから、フォニックスのようにルールを基盤に教えるのは効果的ではありません。

ホール・ランゲージで習った子供は自分なりの何がしかの記憶する技を考え出しており、これが学習意欲を促進しているようです。

しかもそのルールが100%適用できないと言うのは多くの子供に混乱を生ませているのも事実のようです。

文化圏で英語を学ぶ場合と英語を第二言語として学ぶ場合は大きな違いがあります。

英語文化圏で英語を学ぶ場合の最大の違いは発音に関してはまったく問題が無い学習者を前提にしています。

3.音声学の音素

しかし、我々日本人の場合は英語を第二言語として習いますので、発音の問題が存在します。発音が正しくできない英語を第二言語として学ぶ場合にはホール・ランゲージと比べどう考えてもフォニックスの優位性と言うのは見出す事ができません。

発音においては音の部分(音素)を並べた音の連続が総合的な単語や文章の音になるわけではありません。

言語音に母音や子音の音素が規則正しく並んでいると考えるのは概念的な考えです。母音や子音があると考えれば、分類とか子音や母音の数を数える事ができます。

フォニックスは音素単位ではなく、独自の音の単位を使っています。しかし、どのような音の単位を使っても、言語音は基本の音で構成されると言う考えは音声学と同じです。

4.言語音とは

音声学の音素は分類するための概念の音です。発音をすると言う事はその音声学の音素を並べる事でも、フォニックスの音を並べる事でもありません。

言語音には音素が並んでおりません。音声は連続的に変化する音のストリームです。そのような音声を学ぶ方法はネイティブを真似る以外にありません。

基本の音が存在しませんから、達人であるネイティブを真似る以外に方法はありません。

脳は一生成長する器官ですから、学習の仕組みは、英語を第二言語で学んでも、臨界期以降に英語を学んでも変わりません。

子供だから真似る事ができるのではなく、真似る能力は脳が持つ優れた学習メカニズムなのです。