第二言語習得理論(SLA)

母語と第二言語の習得は違うとそのための第二言語習得理論があります。
白井恭弘氏の第二言語習得理論の本には次のような内容になっています。
第1章 母語を基礎に外国語は習得される

第2章 なぜ子どもはことばが習得できるのか

第3章 どんな学習者が外国語学習に成功するか

第4章 外国語学習のメカニズム

第5章 外国語を身につけるために

第6章 効果的な外国語学習法

英語学習中の人にとって興味が湧くのは「第3章 どんな学習者が外国語学習に成功するか 」「第6章 効果的な外国語学習法 」あたりでしょう。しかし、そこだけ立ち読みしてもたぶん納得がいかないのではないか、と考えます。この本の大事な部分は「第4章 外国語学習のメカニズム」にあると思いますし、また、その理解のためには第1章~第3章も読む必要があります。

第1章 母語を基礎に外国語は習得される

ここでは言語の「転移」という言語学の言葉が出てきます。これは自分の母国語とこれから学ぼうとする外国語との間にどれだけ共通点があるかによって影響が異なるというお話です。英語とドイツ語であれば共通する部分が多いので想像がつきやすいが、日本語は別系統の言語なのでどうしても誤解が生じやすいのです。

また、日本語には主語がないことをはっきりと自覚して、外国語を学ぶ際には「なぜ外国語には主語が欠かせないのか。」とその文化的背景にも興味を持つべきだと書いています。

第2章 なぜ子どもはことばが習得できるのか

ここには臨界期の事が書かれています。

アジア系移民について臨界期とも思えるようなデータが出たのだそうです。ただし、それはロシア人のほうが白人であるぶんコミュニティにとけ込みやすく、一方でアジア系の人はそういった点において不利であったことが理由なので「果たしてそれは生物学的な臨界期と言えるのだろうか。」と書いています。つまり、社会的な要因が大きいのではないか、という推測です。

第3章 どんな学習者が外国語学習に成功するか

ここでは外国語習得にある程度の個人差があると考えられる以上、達人の学習法をそのまま真似るような危険は冒すべきではない、と書かれています。そして、日本人が英語を学習するにおいて最大の障壁として「動機づけ」の弱さを挙げています。

また、ネイティブ・スピーカー信仰は捨てよ、とも釘を刺しています。完全主義に陥ってはいけないという現実的なアドバイスでもあり、また、日本人が心の底に隠し持っている白人信仰への皮肉という感じでした。

第4章 外国語学習のメカニズム

この本のキモは第4章だと思います。それまで外国語に関してはインプット(新聞を読むなど)だけでアウトプットする機会に恵まれなかった人たちでも、その機会を得れば話し出すことがある、という例を挙げて、インプットの重要性を説きます。ただし、話せるようになった鍵は頭の中でのシミュレーションがなされているからなのだ、とも書かれています。

言語習得に必要な最低条件は、「インプット」+「アウトプットの必要性」ということになります。

さらに、さまざまなケースを紹介したうえで、いったんのまとめとして語学習得のために有効な方法はネイティブが使っている例文をたくさん読み、覚えていくことだと結んでいます。これはおそらくコーパスに触れるべきだということなのでしょう。

第5章 外国語を身につけるために

日本の英語教育における「文法訳読方式」(英文和訳)は非常に効率が悪いとの主張がなされます。それはリーディングにおいて半分を日本語での和訳に費やしてしまうために読む文章の量が不足するため。そして、第1章でも示されていたように日本語は英語とは構造が大きく違うため「悪い転移」が起きやすいので、こういった対象言語を学ぶときにはとにかく文章にたくさん触れるのが望ましく、そういった意味で現在の英語教育はあまり効率的ではないとのこと。

第6章 効果的な外国語学習法

ここを目当てに読む方が多いでしょう。箇条書きにすると次のような内容です。

・背景知識を持った分野のものを読め。

・リスニングは80%わかるものを何度も聞け。

・外国語を「勉強」するのではなく、外国語で「情報」を仕入れるようになれ。

・また、その段階までは一気呵成に駆け上がれ。

・アウトプットは少しずつでもやったほうがいい。

・アウトプット出来るくらいまでの文法は必要だ。

・動機づけ(=モチベーション)は大事だ。

外国語は母語を基礎に習得されるので、母語の知識は最大限に生かし、また邪魔になる部分を最小限にすることが重要です。母語と外国語が違う部分が学習の邪魔になりやすいので、そのような部分を、第二言語のデータベースを増やすことで克服しなければなりません。

大きな間違い

特に言語習得に必要な最低条件は、「インプット」+「アウトプット」の必要性と言う部分です。

言語の習得は単に「インプット」+「アウトプット」で決まるものでありません。言語習得はネイティブを真似て特徴を少しずつ抽出するディープラーニングであるからです。

反復練習をする事で手続き記憶として自動化され長期記憶に保存されます。忘れないように覚えるのが学習です。

少しずつネイティブに近づく事が言語習得です。その習得方法は基本的には子供も大人も同じです。

ネイティブスピーカー信仰は捨てよと言うのは言語習得の本質から外れています。

臨界期前後で変わるのは音の調整能力の問題です。言語を習得するのとは調節関係ありません。

言語習得は「インプット」+「アウトプット」の量ではなく、どれほどネイティブを真似て特徴を学ぶかにあります。ネイティブに近づく過程が言語の習得です。

言語は翻訳や通訳と違いますから、外国語は母語を基礎に習得される事はありません。母語の助けがあれば学習が楽になるだけの事です。

例えば英語を話すためには日本語を英語に訳すのではなく、英語文化圏で使われている表現をネイティブのような発音で、ネイティブのように使うだけの事です。日本語にない表現を英語で使う事も可能になります。

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